インプラントとは?
ーブリッジ・入れ歯と比較したメリット・デメリットー
歯科治療において、なんらかの理由で失った歯を補う(補綴)方法は、インプラント・ブリッジ・入れ歯の3つの方法が代表的です。
インプラント
「インプラント」とは、何らかの理由で歯を失った場所へ人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に被せ物をして新しく歯を作る補綴方法です。
インプラントのメリット
- 他の歯を削ったり、負担をかけたりすることなく独立した歯を作ることができる。
- 他の歯に負担をかけないので、たとえ将来インプラント部分に問題が起きたとしても、改めてブリッジや入れ歯といった別の選択肢を考えることができる。
※状態によっては1度インプラントを取り外した後でも、骨の再生を待ってからもう一度インプラントをいれることができることもあります。 - 装着感が自然。
- 基本的に着脱性ではないので、外してメンテナンスする必要性がない。(一部例外あり)
インプラントのデメリット
- 外科手術が必須
- 埋め込んだインプラントと歯槽骨が定着する期間(2~3か月)を設けなければならい。
- 成功率が100%ではない。(一般的に約95%と言われている)
ブリッジ
「ブリッジ」とは、失った歯の両サイドの歯に橋のように被せ物を渡し、歯を補う方法です。
ブリッジのメリット
- 外科手術の必要がない。
- 装着感が自然。
- 基本的に着脱性ではないので、外してメンテナンスする必要性がない。(一部例外あり)
ブリッジのデメリット
- 両サイドの健康な歯を削る必要がある。
- 健康な歯を削り、神経に触れてしまった場合、痛みを伴ったり神経を抜く必要が生じたりする。
- 歯のない部分を支えている、両サイドの歯の負担が増え、虫歯や歯周病になってしまう確率が上がる。
入れ歯(義歯)
「入れ歯(義歯)」は、床のついた人工歯を歯が失われた部分の歯肉に乗せ、隣接する他の歯に金具をひっかけて固定する補綴方法です。
入れ歯のメリット
- 外科手術や、他の歯を削る必要がない。
- 基本的に少ない来院で装着可能。
入れ歯のデメリット
- 着脱性なので、基本的に毎日外してメンテナンスする必要性がある。
- 違和感が強いことが多い。
- 物が挟まってしまったり、他の歯が虫歯になってしまったりすることがある。
- 歯を失った部分の歯茎が下がってしまう可能性がある。
インプラント手術の方法について
ー1回法・2回法ー
インプラント手術には「1回法」「2回法」の2種類の方法があります。
インプラント手術ではまず、歯肉を切開し、歯槽骨にドリルで穴をあけ、そこにネジ状のインプラントを入れます。この段階で骨にしっかりと固定できた場合、「1回法」で手術をすることが可能です。
1回法の場合、インプラントの出口を歯茎の上に出した状態で歯肉を縫い合わせ、テンポラリーアバットメント(仮のアバットメント)と言う、被せ物とインプラントの接合部になる金具を装着します。
後、日本物のアバットメント、被せ物を被せ、インプラント手術終了となります。 1回法は、2回法と比べ、歯肉にメスを入れる外科手術が1回で済む、短期間で装着完了できるところがメリットです。
インプラントを挿入した段階での固定度が足りない場合は、「2回法」となります。2回法ではインプラントを埋め込んだ後、切開した歯肉をインプラントに被せるように縫合して元の状態に戻します。
その後2~3か月の結合期間を設け、インプラントと歯槽骨がしっかりと固定されたところで、もう一度歯肉を切開し、インプラントにアバットメントを結合させ、歯肉を縫い合わせます。1回法と同じく後日アバットメントの上に被せ物を被せ、インプラント手術終了となります。
2回法は手術回数が多くなりますが、歯茎を閉じてインプラントと歯槽骨の結合期間を設けるため感染の確率が低く、比較的骨の少ない場所でも手術が可能になります。
内山歯科のインプラント
ーインプラントメーカーや、部品形成などー
インプラントメーカーについて
インプラントは50年以上もつという症例もあり、長期的な付き合い方を考えておく必要があります。例えば当院でインプラント手術を受けた患者様が、将来地方や海外に引っ越し、その土地の歯科医院でインプラントのメインテナンスや治療を受ける、ということも十分に考えられます。
インプラントのメーカーはとても数が多く、日本国内だけで入手できるインプラントメーカーは100社ほどと言われていますが、シェアの少ないメーカーのインプラントを使用しているとインプラントを外すためのドライバーなど必要な部品が手に入らなかったり、医師が取り扱い方を知らなかったりする場合があります。
また、最悪そのメーカー自体がなくなってしまったり、対象のインプラント部品が製造中止になっていたりする可能性もあります。
そういったリスクを減らすために、当院では必ず世界シェアTOP5に入るメーカーのインプラントを使用しています。現在は主にジンマー・バイオメット・デンタル社(人工関節など、医科領域のインプラントにおいて世界トップシェア)のインプラントを採用しています。
アバットメント・インプラント義歯の形成について
インプラント手術後に感染や物の詰まりを防ぐには、インプラントからアバットメント、インプラント義歯までの間に段差がなく、本来の歯に近い形をしているべきです。
形が決まっている既製品のアバットメントを使用すれば、安価に済ませることもできますが、インプラントは一度入れるとそう簡単に入れなおす事はできません。
当院では既成のアバットメントを使用せず、歯科技工士との協力のもと患者様の身体に合った形状のアバットメント、インプラント義歯を制作し、より長く安心して生活していただけるインプラント手術を行っています。
チーム医療の導入について
身体の状態(特に高血圧や糖尿病など)によっては、インプラント手術に重大なリスクが伴う場合があります。
高血圧の方は脳血管の血圧が高いため、手術の緊張で血栓が飛び、脳に引っかかって脳梗塞を引き起こす危険性があります。
また、インプラントは骨が傷を治そうとする力を利用し、骨の中にインプラントが取り込まれることで固定されます。しかし糖尿病の方は傷を治す力が弱くなるので、インプラントが定着しにくく、抵抗力が低くなっているため感染のリスクも上がります。他にも、骨粗鬆症治療のために骨を固くする薬を飲んでいる方は、顎の骨の内側の骨が固くなり血流がなくなっている場合があるので、インプラントを定着させることが困難です。最悪の場合、顎骨壊死といって骨が壊死してしまう場合もあります。
当院ではインプラント手術の前に、口腔状態の確認や問診を通して患者様の身体がインプラント手術を行ってもよい状態かを確認し、場合によっては内科医との連携アプローチでインプラント手術可能な状態まで患者様をサポートいたします。(症例参照)
=インプラントの症例=
Case1
― インプラントを希望した来院で、糖尿病が発覚 ―
インプラントをご希望で来院されましたが、歯周ポケットに10mm前後の部分が多数存在するなどかなり深く、出血や膿が出ている部分もありました。感染のリスクから、こういった状態でインプラント手術を行うことはできません。
また、このような状態の時は、歯だけではない別の問題がある確率が高いため、まず内科医を受診していただきました。すると、血糖値などに異常が見つかり、糖尿病になっていることが発覚しました。
そこで、内科での投薬治療と食事療法で数値を改善し、当院では歯槽膿漏治療を行い口内状態を改善させました。糖尿病の数値が改善された後、内科医とのチームアプローチの元、まずは歯槽膿漏のオペを行いました。すると治りがとても良いことが確認できました。その後さらに治療を進め、数値がかなり改善されたので、インプラント手術を実施しました。
出血や膿がでている部分があった
インプラント治療後、歯周病のオペにより数値が改善した
インプラント治療なら マイクロデンタルにご相談ください
治療をご希望の方はまずは予約は電話(03-6804-1180 [診療時間]8:30~12:30 / 13:30~17:00)または初診予約フォームよりお申込みいただけます。
※当院は担当歯科医師、担当歯科衛生士がお一人お一人に合わせた丁寧な診療を行っているため、対応できる患者様に限りがございます。 そのため、予約が大変込み合っており、混雑状況によって、1ヵ月程度お待ちいただく可能性があります。